祝(漢字)

普及版 字通 「祝(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(旧字)
人名用漢字 10画

[字音] シュク・シュウ(シウ)
[字訓] いのる・はふり・いわう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
示+兄。示は祭卓。兄は祝の器である(さい)を戴く人の形で、巫祝。〔説文〕一上に「祭に贊詞を(つかさど)るなり」とあり、〔詩、小雅、楚茨〕に「工、致す」とみえるものである。女巫を巫、男巫を祝といい、また覡(げき)という。〔段注〕に「人の、口を以てはるなり」とするが、祝の奉ずるものは、祝詞を収めた器である。祝の長官は大祝。祭政的な政治が行われた古代には、大祝が聖職者として最高の地位にあり、周公の子伯禽の作器に〔大祝禽鼎〕がある。また〔禽(きんき)〕に「某(はか)(謀)り、禽(いの)る」とあって、周公父子が神事に当たる聖職者であった。王朝滅亡の後には、その祝は賤官とされ、〔儀礼〕には夏祝・商祝は喪祭の末事に従うものとされた。

[訓義]
1. いのる、ねがう、のろう、のりと。
2. はふり、神官神主
3. いわう、いわい。
4. 注と通じ、そそぐ、つける。
5. (しよく)と通じ、断つ。

[古辞書の訓]
名義抄 イハフ・ハフリ・シク・マサル・ネグ・イノル・マツル・シルシ・イタル・オクル。今呪に作る

[語系]
・呪tjiukは同声。tjiu、tiu、diuも声義近く、みな呪詛・祝に関する字である。は呪祝のときには(しゆう)の音でよむ。tiokと通じ、切る意に用いることがある。

[熟語]
祝詛祝噎祝饐・祝延祝宴・祝・祝祝賀・祝官祝祈・祝規・祝敬・祝慶・祝・祝号・祝宰・祝冊・祝史・祝師祝祠祝辞・祝寿・祝祝祝捷祝誓・祝宗・祝・祝白・祝髪・祝板・祝付祝祓・祝文祝幣・祝薬・祝融祝釐祝郎
[下接語]
祈祝慶祝・工祝・宰祝・尸祝・史祝・寿祝・瑞祝・宗祝・喪祝・大祝・致祝・祝・祝・巫祝・奉祝・卜祝

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報