精選版 日本国語大辞典 「祈・祷」の意味・読み・例文・類語
い‐の・る【祈・祷】
〘他ラ五(四)〙 (「い」は神聖、斎の意。「のる」は宣るの意)
① 神仏に請い願う。
(イ) ことばを口に出して神に福を求める。
(ロ) ある人に危害が及ぶようにと神仏に祈願する。のろう。
※落葉集(1598)色葉字集「呪 いのる」
※太平記(14C後)一「玉体に近き奉て、肝胆を砕てぞ祈(イノ)られける」
③ 心から希望する。願う。
い‐のり【祈・祷】
〘名〙
① 神仏に請い願うこと。また、そのことば。
※竹取(9C末‐10C初)「此人々家にかへりて物をおもひ、いのりをし、願をたつ」
※源氏(1001‐14頃)桐壺「今日はじむべきいのりども、さるべき人々うけ給はれる、今宵より」
④ 歌舞伎で、祈祷の場面に用いる囃子(はやし)の称。楽器は太鼓、大鼓(おおつづみ)、小鼓、笛の四種(演劇鳴物合方名称集稿本)。
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