デジタル大辞泉
「矢代」の意味・読み・例文・類語
や‐だい【矢代】
賭け的の勝負などをするとき、各射手から1本ずつ矢を出させ、これを2本ずつ取って交差するように振り落とし、これで上矢・下矢の組を決めたこと。射手の矢を籤代わりに使うもの。
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や‐だい【矢代】
〘名〙
① 鎌倉時代以来、
武士が笠掛、犬追物
(いぬおうもの)、草鹿
(くさじし)などの
射芸をする時、射手の矢を用いて籤
(くじ)に代え、組合わせ、順番などを決めること。矢を一本ずつ借り受け、手にとって交差するようにふり落とし、上矢
(うわや)と下矢
(したや)の別をつけ、順次上矢組と下矢組とを編成する。また、その決め方。
※大的躰拝記(15C中か)「矢代の事。先上矢より立と有レ之は、備前守の説歟」
② ①で籤の代わりに用いる射手の矢。鏃(やじり)が神頭(じんどう)・引目(ひきめ)の矢。
※大的躰拝記(15C中か)「前へ矢代を取まはす時も右より取廻也」
③ 矢を籤代わりにして決めた組と順番。
※犬追物葛袋(1549)「一番の矢代の人常の撿見のごとく出立て打よるべし」
④
近世の歩射の練習場や
楊弓店で、矢を射させる代金。
※
雑俳・あふむ石(1839)「にこにこと・矢代四文の店の番」
や‐がわり ‥がはり【矢代】
※国府台戦記(1575)「古しへ
義経や
しまの
うらの
合戦に、佐藤次信御矢代に立ければ、太夫くろを給ひける」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報