真・実・誠・信(読み)まこと

精選版 日本国語大辞典 「真・実・誠・信」の意味・読み・例文・類語

ま‐こと【真・実・誠・信】

[1] 〘名〙 (ことば、事柄などの意を表わす「こと(言・事)」に、接頭語「ま(真)」の付いたもの)
うそや偽りでないこと。本当であること。本物であること。真実。真理。事実。本質。
万葉(8C後)一四・三三八四「葛飾の真間の手児奈を麻許登(マコト)かもわれに寄すといふ真間の手児奈を」
源氏(1001‐14頃)帚木「はかなきあだ事をも、まことの大事をも」
② 人に対して誠実で欺かないこと。偽りのない心。まごころ真情誠意
書紀(720)推古一二年四月(図書寮本訓)「信(マコト)は是れ義(ことわり)の本なり。事毎に信有るべし」
③ 文学や芸術に現われる真情、真実味。真実の感動。
古今(905‐914)仮名序僧正遍昭は、歌のさまはえたれども、まことすくなし」
[2] 〘副〙 間違いなくその状態であることを強調する語。じつに。本当に。実際。
※万葉(8C後)三・二四五「聞きしごと真(まこと)たふとくくすしくも神(かむ)さびをるかこれの水島
[3] 〘感動〙 話題を転じるときや、話の途中でひょいと思い当たったことを言い出したりする時、念を押す気持を込めて用いる語。ほんにまあ。たしかそう。そうそう。まことに。
狭衣物語(1069‐77頃か)四「まこと、人知れず心一つに思給へあまること侍れ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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