益城(町)(読み)ましき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「益城(町)」の意味・わかりやすい解説

益城(町)
ましき

熊本県中部、上益城郡にある町。1954年(昭和29)木山町と飯野(いいの)、広安(ひろやす)、津森、福田の4村が合併して誕生。町域のほぼ中央を北東から南西に向けて流れる木山川沿いの狭長な沖積低地によって、阿蘇(あそ)溶結凝灰岩ならびに段丘礫(れき)層からなる肥後台地に属する北半域と、白亜系堆積(たいせき)岩からなる御船(みふね)山地に属する南半域とに大まかに分けられる。この地形的対照は、基幹産業である農業の土地利用面にも現れ、かつては低地の米・プリンスメロン、台地のスイカ・葉タバコ・麦、山地緩斜面のブドウ・ウメなどが際だっていた。めまぐるしい変貌(へんぼう)を遂げたのは、熊本空港の一部がかかる町域の北端と、九州自動車道の縦貫する同西端で、前者は臨空型指向の産業拠点として1984年熊本テクノポリス地域に指定され、電子応用機械技術研究所がある。後者では、町域にある益城熊本空港インターチェンジのほか、町域外の熊本、御船(みふね)両インターチェンジが利用可能なことから、各種の中小工場の進出がみられている。また熊本市のベッドタウンとしての宅地化の進行も著しい。面積65.68平方キロメートル、人口3万2510(2020)。

[山口守人]

〔2016年熊本地震〕2016年の熊本地震では、4月14日21時26分の地震で町内宮園で震度7、4月16日1時25分の地震でも同じく宮園で震度7を観測するなど、大きな揺れに見舞われた。この地震による町内の被害は、関連死を含め死者43名(うち警察検視によって確認された死者は20名)、重傷者134名、住家全壊3026棟、公共建物の損壊104棟にのぼり、罹災世帯数は7440を数えている(平成30年5月11日『平成28(2016)年熊本地震等に係る被害状況について【第272報】』熊本県危機管理防災課ほか)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例