百間川遺跡群(読み)ひやつけんがわいせきぐん

日本歴史地名大系 「百間川遺跡群」の解説

百間川遺跡群
ひやつけんがわいせきぐん

旭川東岸、たつくち山山塊とみさお山山塊との間に広がる平野の南端を東流する百間川の河川敷一帯に分布する遺跡群。遺跡は上流から原尾島はらおしま遺跡・沢田さわだ遺跡・兼基かねもと遺跡・長谷ながたに遺跡・当麻たいま遺跡と続き、操山山塊の北麓一帯にわたる広がりを示している。河川改修に伴う発掘調査の結果からみると、この地域の沖積平野の形成は古く、すでに縄文時代後期の遺跡がこの平地に進出していた。晩期になると遺跡の数は増加して、晩期終末の時点では、多くの地点から遺物出土がみられる。弥生時代の中期後半になると、微高地上に展開する遺跡の範囲は大きく拡大し、同時代の終末期では、沖積平野の大半が開発されていた状況を示している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「百間川遺跡群」の解説

百間川遺跡群
ひゃっけんがわいせきぐん

岡山市街地の東,旭川の放水路である百間川の河川敷に散在する縄文時代~近世の遺跡の総称弥生古墳時代の集落跡や水田跡を中心に,奈良時代の倉庫群や中世集落跡など多様な内容をもつ。広範囲に広がる弥生時代の水田跡からは,前期後半~後期に耕地の拡大が図られていく過程が跡づけられる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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