白声(読み)シラゴエ

デジタル大辞泉 「白声」の意味・読み・例文・類語

しら‐ごえ〔‐ごゑ〕【白声/素声】

《「しらこえ」とも》
平曲で、節をつけずに朗読するように語ること。
能で、乱拍子らんびょうし小鼓懺法せんぼう太鼓を打つときに発する掛け声
日本芸能の発声法の一。一種しわがれ声で、祭文浪花節浄瑠璃などの語り物で用いられる。
りきんで出すかんだかい声。
講釈師の黄色なる声、玉子玉子の―」〈根無草・四〉

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精選版 日本国語大辞典 「白声」の意味・読み・例文・類語

しら‐ごえ ‥ごゑ【白声】

〘名〙 (「しらこえ」とも)
① 異常に高い声。りきんで出す声。かなきり声。
※俳諧・鷹筑波(1638)五「卯花になくやしら声時鳥〈道節〉」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「八百屋の椽の下と松坂音頭の白声(シラコヱ)は、店向(たなむき)の新下りにて、長し短し儘ならぬ」
② 平曲や謡曲などで、曲節を伴わない部分を語ること。節を付けないで、ふつうに読むようにうたうこと。また、そのようなうたい方。
申楽談儀(1430)位の事「又、ただこと、白声(しらコヱ)共云。言ふ者なし。上の位也」

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世界大百科事典(旧版)内の白声の言及

【素声】より

…日本音楽の用語。〈しらごえ〉ともいい,シラコエ,白声とも書く。平曲では,節付けされていない部分,すなわち,会話のアクセントや抑揚に近い形で演唱する部分,およびその前奏の琵琶の手をいう。…

※「白声」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」