ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「田中清玄」の意味・わかりやすい解説
田中清玄
たなかきよはる
[没]1993.12.10. 静岡
実業家,フィクサー。東京大学文学部に入学した翌年,日本共産党に入党する。 1929年大学を中退し,30年日共中央執行委員長に就任。武装闘争を指導して逮捕されるが,母が自害したことを獄中で知り,転向を表明する。 41年出獄後は反共主義者となり,造船業の神中組を創設,土木請負業にも進出した。第2次世界大戦後は,連合国総司令部 GHQに協力して王子製紙争議などに介入,反共活動を展開する一方,安保闘争の際は全学連に資金援助して話題となる。後年はエネルギー問題に関心をもち,インドネシアやサウジアラビアの石油の開発と輸入に力を注いだ。 80年外交ルートを通さず 鄧小平と会見。以後,日中・ASEAN諸国との連帯を説き続けた。
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