甫(漢字)

普及版 字通 「甫(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 7画

[字音] ホ・フ
[字訓] なえぎ・はたけ・はじめ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
苗木の根を立ててかこう形。上部を(父)の形にしるすことがあるのは、(ほ)の声に近づけたもので、本来の字形(ふ)・專(専)が苗木の根を包みこむ形であったのと同じである。〔説文三下に「男子の美なり。用ととに從ふ」とするが、金文では「伯懋(はくぼうほ)」「師雍(しようほ)」のようにすべてを用い、〔詩〕にみえる吉甫・中山甫のような用いかたは仮借。甫は苗木の形で、植樹のはじめ、その植えるところを圃といい、苗木を地に著けることを・傅(ふ)といい、輔・補にはみな輔助の意がある。

[訓義]
1. なえ木。
2. はたけ。
3. はじめ。
4. たすける、たすけうえる。
5. 大きい、多い。
6. 父と通じ、男子の美称に用いる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕甫 ハジム・オホカリ・ワレ・フフム・オホキナリ・オホシ 〔字鏡集〕甫 オホカリ・ハジム・オホキナリ・ハナハダ・フタタビ・アハス・フフム・ハジメ

[声系]
〔説文〕に甫声として哺・逋・・膊・圃・・補・匍・浦・舖(舗)・輔など二十五字を収め、また声十九字がある。甫の基本義は圃・・傅・(敷)・搏・(縛)などの字義うちにあり、匍・搏はその動作の声を写したものである。

[語系]
甫・傅piuaは同声phiuaは〔説文〕八上に「輔なり」とあり、輔助の意の初文phiuaも同声。また溥・舖pha、旁bangも同系で、ひろくたすけ及ぼす意がある。

[熟語]
甫爾・甫甫田甫能甫甫
[下接語]
衆甫・章甫・台甫・某甫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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