玉釧(読み)タマクシロ

デジタル大辞泉 「玉釧」の意味・読み・例文・類語

たま‐くしろ【玉×釧】

[名]玉をつないで作った腕輪
「其の女鳥の王の御手かせる―を取りて己がに与へき」〈・下〉
[枕]手に巻く意から、「まく」「手に取り持つ」にかかる。
「―まきいももあらばこそ」〈・二八六五〉
が恋ふるを―手に取り持ちて」〈・一七九二〉

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精選版 日本国語大辞典 「玉釧」の意味・読み・例文・類語

たま‐くしろ【玉釧】

[1] 玉で飾った腕輪。古墳時代装身具の一つ。玉類を連綴し、手首足首一重もしくは二重に巻いたもの。記紀にいう「手玉」「足玉」「玉釧」は、人物埴輪の着装例からみて、このことをさすものと考えられる。
古事記(712)下「其の女鳥王の御手に纏(ま)かせる玉釧(たまくしろ)を取りて」
[2] 「くしろ」を手に持つ、また、腕にまく意で、「手に取り持つ」「巻く」にかかる。
万葉(8C後)九・一七九二「口やまず 吾が恋ふる子を 玉釧(たまくしろ) 手に取り持ちて まそ鏡 直目(ただめ)に見ねば」

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普及版 字通 「玉釧」の読み・字形・画数・意味

【玉釧】ぎよくせん

玉のうでわ。〔玉台新詠、十、近代雑詩一首〕玉釧、色未だたず 衫(さん)輕くして、腕を露(あら)はすに似たり

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