ごく‐そつ【獄卒】
〘名〙
① 囚人を取り扱う牢獄の下級の役人。
看守、押丁
(おうてい)の類。
獄丁。
※宮部鼎蔵宛吉田松陰書簡‐安政元年(1854)四月二四日「且獄卒伊八為レ是贈二厚恵一由」 〔後漢書‐廉苑伝〕
② 仏語。地獄で亡者の罪を責めたてる鬼。地獄の鬼。
※秘蔵宝鑰(830頃)上「閻魔獄卒構レ獄断レ罪」 〔倶舎論‐一一〕
③ 義理や人情を解さないものをののしっていう語。
※
浄瑠璃・曾我扇八景(1711頃)上「はや心がかはったか。ぢごくのたねのごくそつめ」
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デジタル大辞泉
「獄卒」の意味・読み・例文・類語
ごく‐そつ【獄卒】
1 牢獄で、囚人を取り締まる下級役人。獄丁。
2 地獄で死者を責めるという悪鬼。
3 義理や人情を解さない人をののしっていう語。
「やい、天罰知らぬ―め」〈浄・布引滝〉
[類語]番人・守衛・門衛・門番・看守・衛視・衛士・衛兵・牢番・監視
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普及版 字通
「獄卒」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典内の獄卒の言及
【牢屋】より
…獄囚の取扱いに関し獄令と断獄律に規定がみえ,席薦衣食は官より支給し,病気のときは家人の看侍を許すが,紙筆兵刃杵棒の類の持込みは認めず,女囚は男囚と所を異にし,産月に臨むと一時出獄を許すことになっていた。獄卒の違法行為を取り締まるため,弾正台官人が巡検することになっていたが,獄囚らは劣悪な条件下に置かれていた。【森田 悌】 鎌倉幕府で既決・未決の囚人を拘禁することを禁獄,召禁,召籠というから,拘禁するための獄舎,籠(牢)舎があったはずだが,その実態は不明である。…
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