精選版 日本国語大辞典 「片寄・偏」の意味・読み・例文・類語
かた‐よ・る【片寄・偏】
〘自ラ五(四)〙
② あるもののほうに近づき寄る。身や心を寄せる。
※万葉(8C後)一四・三五六五「彼の児ろと寝ずやなりなむはだすすき宇良野(うらの)の山に月可多与留(カタヨル)も」
③ 一方について力を貸す。味方する。
※蜻蛉(974頃)中「かずかずに君かたよりてひくなれば柳のまゆも今ぞひらくる」
※打聞集(1134頃)摩等聖弘仏法事「此麼等が方には只大臣一人方よれり」
※談義本・銭湯新話(1754)一「律義なる人なれば儒仏神の教、何れにも偏(カタヨラ)ず」
かた‐より【片寄・偏】
〘名〙
① 中央の部分やある標準の位置からはずれて一方に寄ること。あるものに近づき寄ること、また、その度合。古く「に」を伴って、ただ一方によって、ひたすら、の意で副詞的に用いられた。
② 他に力を貸すこと。助力。
③ 考えや態度、処置などが不均衡、または不公平なこと。
※両足院本山谷抄(1500頃)二「かたよりがしてはかなうまいぞ」
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