煮立(読み)にえたつ

精選版 日本国語大辞典 「煮立」の意味・読み・例文・類語

にえ‐た・つ【煮立】

〘自タ五(四)〙
① 沸騰してぐらぐらとわきたつ。にえあがる。にえかえる。
料理物語(1643)一二「だしたまりにてにる、にえたち候とき、かげんすいあはせ、うどんのこをだしにてとき」
咄本・軽口御前男(1703)二「醤油のあんばいして熱立(ニエタツ)ところへ彼魚を入ければ」
感情が激しく動く。ひどく怒る。
※めぐりあひ(1888‐89)〈二葉亭四迷訳〉一「奇妙な勇気血液の中に煑えたち沸きかへった」

に‐たて【煮立】

〘名〙
① 煮立つこと。煮え立つこと。〔書言字考節用集(1717)〕
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)初「煮たての肴のさめたのもございやアす」
② 煮たばかりでまだ時を経ないこと。煮えたばかりのもの。
女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉七「炊きだてのあつめしに煮だての豚汁

に‐た・つ【煮立】

[1] 〘自タ五(四)〙 煮えてわきたつ。十分に熱せられてよく煮える。煮えたつ。
人情本・閑情末摘花(1839‐41)初「ソレ湯が煑立(ニタッ)た」
[2] 〘他タ下二〙 ⇒にたてる(煮立)

に‐た・てる【煮立】

〘他タ下一〙 にた・つ 〘他タ下二〙 十分に煮えたたせる。熱してよく煮る。煮たたす。
※料理早指南(1801‐04)四「青まめよく水につけ金すり鉢にてすりて白みその汁にてのべ布ぶくろにてこし再び煮たてる」

に‐たた・す【煮立】

〘他サ五(四)〙 =にたてる(煮立)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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