烏帽子岳(読み)えぼしだけ

日本歴史地名大系 「烏帽子岳」の解説

烏帽子岳
えぼしだけ

小県郡の北東、東田沢ひがしたざわ村(現東部とうぶ町)・殿城とのしろ(現上田市)本原もとはら村(現真田さなだ町)・おさ(現真田町)の境に立つ標高二〇六五メートルの山。山頂の東、小県郡と群馬県の境にはまる山が指呼の間にある。西側中腹に殿城山(現上田市)、南側中腹に大富士おふじ山・大室おおむろ(現東部町)がある。裾野は南(現東部町北部)と西(現上田市北東部)の山麓に広がっている。主な沢には南に金原かなばら渓谷(現東部町)、北に角間かくま渓谷(現真田町)がある。頂上への道は、角間・本原・東田沢・奈良原等からの道のほか、小県郡と群馬県境にある地蔵じぞう峠寄りの道がある。

烏帽子岳
えぼしがたけ

現熊毛町の北東部、玖珂くが周東しゆうとう町との境にそびえ、標高六九六・六メートル。

花崗岩からなり、付近の山々よりひときわ高い。登山道は八代やしろ側から二ヵ所、樋口ひぐち側から一ヵ所、はら側から一ヵ所がある。「地下上申」には「ゑほしかたけ山 成川村有、但此山高山之頭上ニ有之山のなり烏帽子ニ似たるよしニてゑぼしかたけと申伝候」と記される。「注進案」には「当国ニ名高キ高山ニ高サ直立間数ニシテ弐百弐拾五間、尤麓正蓮寺ヨリ周廻ハ難相分候」とある。また南麓の原村では太刀野たちの山とよんでいたらしく、同書は「此山三ツ尾御領樋口村其外よりハ烏帽子ケ嶽と申候」と記し、その由来を「俚言に往古ハ高山と唱しに、高源太郎大内家滅亡之後陶何某に随ん事を愁し、山谷へ身を隠し二王清綱之太刀を玖珂郡久原村罷居候鍛冶也山中に埋しよりして太刀野山と改め、麓之人家を太刀野と申候、高源太郎身隠されし谷を太ろざか浴と申伝、文字に太郎様ケ浴と書申候」という。

烏帽子岳
えぼしだけ

大山おおやま町と長野県大町市の境界上、後立山連峰の南にそびえる。標高二六二八メートル。山名は烏帽子形の山容に由来。越中側古名はおり岳。享和三年(一八〇三)の奥山御境目見通山成川成絵図(県立図書館蔵)に記載され、以後の新川郡絵図類にはおおむねみえる。「三州地理志稿」に「折嶽ハ形壁峭、故名」とあるように、山名は折って立てたような鋭峻な岩峰に由来。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「烏帽子岳」の意味・わかりやすい解説

烏帽子岳
えぼしだけ

長崎県北部,佐世保市のほぼ中央に位置する山。標高 568m。別称佐世保富士。中心市街地東部にある,新旧の溶岩が重なった山。西海国立公園に属する。新旧溶岩層間の平坦面には湧水もあり,キャンプ場に好適。九十九島などの好展望地。山麓の泉福寺洞穴遺跡では,縄文土器以前,約1万 800年以前の世界最古レベルの豆粒文土器が発見され注目された。

烏帽子岳
えぼしだけ

秋田県東部,岩手県との境にある山。別称乳頭山。標高 1478m。田沢湖の北東に位置する。駒ヶ岳 (1637m) の北東にそびえる火山で,山頂付近には巨岩が屹立し,平坦地には高山植物が自生。西麓には乳頭温泉郷があり,十和田八幡平国立公園に属する。

烏帽子岳
えぼしだけ

長野県東部,上田盆地東方の群馬県境付近にある成層火山。標高 2066m。山頂は左右非対称の三角錐をなし,烏帽子に似ている。初冬にはこの部分だけ白雪におおわれ,一層烏帽子の感じを強める。西方に裾野を展開し,菅平有料道路が通る。上信越高原国立公園に属する。

烏帽子岳
えぼしだけ

長野・富山県境にある山。標高 2628m。飛騨山脈の一峰で,槍ヶ岳三俣蓮華岳から通じる北アルプス裏銀座縦走路の北端をなす。黒雲母花崗岩から成り,山頂部は浸食から残った尖峰で,形が烏帽子に似る。ハイマツナナカマドイワカガミなど高山植物が多い。

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事典 日本の地域遺産 「烏帽子岳」の解説

烏帽子岳

(山口県周南市樋口)
ふるさと周南景観特選」指定の地域遺産。
熊毛地域の北部に位置する烏帽子岳は標高697m。烏帽子岳ウッドパークは、起伏に富んだ全長3km以上の散策道

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事典・日本の観光資源 「烏帽子岳」の解説

烏帽子岳

(群馬県多野郡上野村・甘楽郡南牧村)
ぐんま百名山」指定の観光名所。

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