三俣蓮華岳(読み)みつまたれんげだけ

日本歴史地名大系 「三俣蓮華岳」の解説

三俣蓮華岳
みつまたれんげだけ

大山おおやま町・長野県大町市・岐阜県上宝かみたから村の三県境界上にそびえる。標高二八四一・二メートル。地勢上も槍穂高やりほたか連峰立山連峰・後立山連峰に続く山脈が会し、かなめの地にあたる。三俣蓮華とは信州側の呼称で、越中では鷲羽ヶ岳と称し、越中・信濃・飛騨三国境の名山とされてきた。寛文六年(一六六六)の立山ざら越之図(山岸家蔵)には「三ケ国之堺」とのみ記され山名の記載はない。元禄一三年(一七〇〇)の奥山御境目見通絵図(県立図書館蔵)に「鷲ケ羽嶽、但飛州・信州・越中三ケ国三つからみ」と記され、同年の立山禅定並後立山黒部谷等絵図(同館蔵)も同様の記載。

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百科事典マイペディア 「三俣蓮華岳」の意味・わかりやすい解説

三俣蓮華岳【みつまたれんげだけ】

富山・長野・岐阜県境,飛騨山脈のほぼ中央部にある山。越中側からは鷲羽ヶ岳と称され,江戸時代国絵図にみえる。標高2841m。立山,後立山,槍・穂高の各連峰への分岐点にあり,黒部川,金木戸川などの源流をなす。花コウ岩,セン緑岩からなり山腹に浅い圏谷が並ぶ。北に三俣山荘がある。
→関連項目大山[町]黒部川立山中部山岳国立公園燕岳

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三俣蓮華岳」の意味・わかりやすい解説

三俣蓮華岳
みつまたれんげだけ

富山、岐阜、長野三県の県境にある北アルプス中央部の山。標高2841メートル。この山を中心に山稜(さんりょう)は三つに分かれ、一つは北東の鷲羽(わしば)岳、野口五郎岳を経て後立山(うしろたてやま)連峰と連なり、北西は薬師岳を経て立山連峰へ、南は樅沢(もみさわ)岳から槍(やり)ヶ岳、穂高(ほたか)連峰へと連なる。この三つの稜線の間から黒部川と高瀬川と金木戸川が流出。古期花崗閃(かこうせん)岩で構成され、山頂は平坦(へいたん)で、北部の黒部川方面へ緩傾斜し、西方の金木戸川、東方の高瀬川へは急傾斜する。東斜面に三俣蓮華カールがあり北方の平坦面に三俣小屋がある。山名は大正時代に登山した大関久五郎の命名。

[深井三郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三俣蓮華岳」の意味・わかりやすい解説

三俣蓮華岳
みつまたれんげだけ

長野,富山,岐阜の3県境に位置する山。飛騨山脈の中央部にある。標高 2841m。稜線が3方に分れることが名称の由来で,南方は槍ヶ岳方面,北東は野口五郎岳,針ノ木岳方面,北西は薬師岳,立山方面へ延びる。古生代末の花崗閃緑岩から成る。山腹は黒部川,高瀬川,高原川の上流に浸食されて急斜面をなすが,山頂には飛騨山脈で最高位の平坦面が残る。

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