深江(読み)ふかえ

精選版 日本国語大辞典 「深江」の意味・読み・例文・類語

ふか‐え【深江】

〘名〙 水の深い入江。また、陸地に深くいりこんだ江。
万葉(8C後)五・八一三「万代に 言ひ継ぐがねと 海(わた)の底 沖つ布可延(フカエ)海上(うなかみ)の 子負の原に」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「深江」の意味・わかりやすい解説

深江
ふかえ

長崎県南高来(みなみたかき)郡にあった旧町名(深江町(ちょう))。現在は南島原市(みなみしまばらし)の北東端部を占める。旧深江町は1962年(昭和37)町制施行。2006年(平成18)布津(ふつ)、有家(ありえ)、西有家北有馬(きたありま)、南有馬加津佐(かづさ)、口之津(くちのつ)の7町と合併、市制施行して南島原市となった。旧町域は島原半島(しまばらはんとう)の東部に位置し、雲仙(うんぜん)火山東麓(ろく)の緩やかな火山性扇状地を占め、南側には深江断層崖(がい)がある。海に臨む扇端部に湧水(ゆうすい)線があり、馬場(ばば)、諏訪(すわ)などおもな集落はこの線上にあって、水田を伴い、国道251号が通じる。扇状地上の水無(みずなし)川は島原市との境界をなすが、降雨時以外には流水がなく、扇央部は畑作地帯で、1925年(大正14)から始められたタバコ栽培が主で、県下第一の葉タバコ生産地帯をなした。島原―雲仙間の国道57号が斜断している。扇頂部の池平(いけひら)にはゴルフ場、山ノ寺(やまのてら)には縄文遺跡がある。1990年(平成2)に始まる普賢岳噴火活動は、火砕(かさい)流や土石流を続発させ、甚大な被害をもたらした。

[石井泰義]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「深江」の意味・わかりやすい解説

深江
ふかえ

長崎県南東部,南島原市北東部の旧町域。島原半島の東部,島原湾に臨む。 1962年町制施行。 2006年加津佐町,口之津町,南有馬町,北有馬町,西有家町,有家町,布津町と合体して南島原市となった。雲仙岳南東斜面の扇状地の葉タバコ栽培は長い歴史をもち,県下第1位の生産額を誇ってきたが,1990年に始まった雲仙普賢岳の噴火で多大な被害を受けた。ほかに養殖漁業,水産加工が行なわれる。雲仙岳への登山道路に沿う山ノ寺では縄文時代晩期の遺跡が発見され,稲作発祥に関する貴重な資料となっている。一部は雲仙天草国立公園に属する。

深江
ふかえ

福岡県北西部,糸島市西部の地区。唐津街道(現国道202号線)の宿場町として栄えた。漁港があり,沿岸漁業の中心地。海岸一帯は海水浴場などがあり,風光よく玄海国定公園に属する。JR筑肥線筑前深江駅がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「深江」の意味・わかりやすい解説

深江 (ふかえ)

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