海晏寺(読み)かいあんじ

精選版 日本国語大辞典 「海晏寺」の意味・読み・例文・類語

かいあん‐じ【海晏寺】

東京都品川区南品川にある曹洞宗の寺。山号補陀落山。建長三年(一二五一北条時頼創建大覚禅師道隆)の開山と伝えられる。江戸時代紅葉名所として知られた。鮫洲(さめず)観音

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日本歴史地名大系 「海晏寺」の解説

海晏寺
かいあんじ

[現在地名]品川区南品川五丁目

海雲かいうん寺の南、かつての南品川宿の南端にある。補陀落山と号し、本尊観音菩薩。曹洞宗。熊野信仰ともかかわりが深い古刹で、もと鎌倉建長寺系の寺院。開基は北条時頼、開山は建長寺を開いた蘭渓道隆という伝承があり、鎌倉府直轄の禅宗寺院であることが推定できる。宝徳三年(一四五一)当時の住持であった存紹の代に有徳人榎本出雲守道琳が寺の檀越として梵鐘を寄進している。

海晏寺
かいあんじ

[現在地名]下関市伊崎町一丁目

江頭えがしら山の山麓に位置する。曹洞宗で福聚山と号し、本尊は阿弥陀如来

寺伝によれば、開創は不詳、もと天台宗であったが万治年間(一六五八―六一)に清末藩の初代藩主毛利元知が功山こうざん寺五世基外嶺雄を中興開山として再興、曹洞宗に転宗したという。

本尊はもと平教経の持護仏といわれ、金箔木像で座体の高さは一尺三寸五分。本堂内陣にある青銅の六角灯籠一対は平家灯籠といわれ、文政九年(一八二六)当寺が焼失した時平家との因縁をたどって参拝した近江屋幸三郎・河村源三郎が寄進したもの。

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