洲本(市)(読み)すもと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「洲本(市)」の意味・わかりやすい解説

洲本(市)
すもと

兵庫県南部、淡路(あわじ)島の中央部にある市。大阪湾に臨む。1940年(昭和15)市制施行。1947年(昭和22)上灘(かみなだ)村、1955年由良(ゆら)町と中川原、安乎(あいが)の2村を編入。2006年(平成18)五色町(ごしきちょう)を合併。古くは砂洲(さす)の根元に集落が成立し、地名も「洲元」の意からくる。北部は洲本川の沖積層が展開し、南部は諭鶴羽(ゆづるは)山地断層崖(がい)となる。国道28号が通じ、神戸淡路鳴門自動車道(こうべあわじなるとじどうしゃどう)の洲本インターチェンジがある。戦国時代には三熊(みくま)山の洲本城や南部の由良城を拠点とする安宅(あたぎ)氏が支配したが、1585年(天正13)脇坂(わきさか)氏3万石の城下町となった。江戸時代に入ると、徳島藩蜂須賀(はちすか)氏家臣稲田氏の所領となり、洲本に陣屋が置かれて、淡路島の行政の中心地となった。明治に入ると、淡路島最大の近代綿紡績工業がおこって活況を呈したが、第二次世界大戦後は酪農業、肉牛の飼育が市の最大の産業となった。また、タマネギ、レタス、夏ミカン、花卉(かき)などの近郊農業が盛ん。洲本港から由良へ通じる海岸は海洋レクリエーション施設で知られ、先山(せんざん)千光寺は淡路島西国三十三ヶ所霊場第1番札所で文化財が多い。三熊山、先山および由良の周辺瀬戸内海国立公園に含まれる。柏原(かしわばら)山には野生サルを観察できるモンキーセンターがある。面積182.38平方キロメートル、人口4万1236(2020)。

[吉田茂樹]

『『洲本市史』(1974・洲本市)』


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