沼垂郡(読み)ぬたりぐん

日本歴史地名大系 「沼垂郡」の解説

沼垂郡
ぬたりぐん

南は蒲原かむはら郡、北は磐船いわふね郡に接し、あら川と阿賀野川の間の地域、現新潟市・北蒲原きたかんばら郡・豊栄とよさか市・新発田しばた市を含む。「和名抄」東急本国郡部は「奴太利」と訓を付し、蒲原郡の次に載せ、郡郷部では諸本とも磐船郡の次、七番目に載せる。「延喜式」神名帳では「ノタリ」もしくは「ヌタリ」の訓を付す。「日本書紀」大化三年(六四七)条に是歳、「渟足柵を造りて、柵戸を置く」とみえるのが初見。「義経記」巻七には寺泊てらどまり(現三島郡寺泊町)で上陸した義経一行が「乗足」を通って岩船いわふねから出羽へ抜けたとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報