河口湖(旧町名)(読み)かわぐちこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「河口湖(旧町名)」の意味・わかりやすい解説

河口湖(旧町名)
かわぐちこ

山梨県南部、南都留郡(みなみつるぐん)にあった旧町名(河口湖町(まち))。現在は富士河口湖町の東部を占める一地区。1956年(昭和31)船津(ふなつ)村、大石村、小立(こだち)村、河口村の4村が合併して町制、河口湖町が成立。2003年(平成15)勝山村足和田(あしわだ)村と合併し、富士河口湖町(南都留郡)となる。旧河口湖町は河口湖を中心に、富士北麓(ほくろく)と御坂(みさか)山地の間に広がる。国道137号、139号が走る。標高800~900メートルの高冷地で、雑穀作を主とする農業と行商生業をたてていたが、のちに富士五湖中でもっとも栄える観光地となった。観光地となったのは大正の後半からで、旧船津村に旅館別荘などが建てられ、1936年(昭和11)富士箱根国立公園(のち富士箱根伊豆国立公園)に全町が編入された。第二次世界大戦後は、富士急行の河口湖駅までの延長(1950)、中央自動車道開通(1969)などによって飛躍的に観光地化が進められ、さらに1971年河口湖大橋の完成によって湖の南北が結ばれた結果、北岸の大石地区も民宿などが増加した。観光の中心は船津で、多数の旅館、ホテルが集まり、シーズンには人と車で埋まる。観光地に、富士急ハイランド(レジャーセンター)、山梨県立富士ビジターセンター(科学館)、河口湖美術館などがある。

[横田忠夫]

『『河口湖町誌』(1966・河口湖町)』


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