新撰 芸能人物事典 明治~平成 の解説
河原崎 長十郎(2代目)
カワラサキ チョウジュウロウ
- 職業
- 俳優
- 本名
- 河原崎 虎之助
- 別名
- 俳名=扇杖
- 屋号
- 山崎屋
- 生年月日
- 明治35年 12月13日
- 出生地
- 東京市新富町(東京都 中央区)
- 経歴
- 名門の歌舞伎興行主・河原崎座座元・8代目河原崎権之助を父に持ち、3歳で初舞台。大正2年11歳で2代目河原崎長十郎を襲名。7年2代目市川左団次一座に加入し、古典や新作の歌舞伎を演じる一方、村山知義と心座を結成して新劇運動にも参加。昭和6年には封建的な歌舞伎界の改革のため、中村翫右衛門らと前進座を設立した。弁慶役者として定評があり、「勧進帳」は8年から40年までに500回上演、その演出で32年に芸術祭奨励賞を受賞。また戦前から映画界でも活躍、「人情紙風船」「戦国群盗伝」など数多くの映画に出演している。途中で43年に思想上の対立から前進座を離れたが、郭沫若作「屈原」は27年以来500回以上も上演、35年と41年に訪中公演もしたほか、日中友好協会、日中文化交流協会の役員として、日中友好に尽くした。著書に「勧進帳」「ふりかえって前へ進む」がある。
- 受賞
- 朝日文化賞〔昭和23年〕,芸術祭賞奨励賞〔昭和32年〕
- 没年月日
- 昭和56年 9月22日 (1981年)
- 家族
- 父=河原崎 権之助(8代目),妻=河原崎 しづ江(女優),長男=河原崎 長一郎(俳優),二男=河原崎 次郎(俳優),三男=河原崎 建三(俳優)
- 伝記
- 歌舞伎 研究と批評〈42〉特集―「前進座」とその時代鑑真和上 故国の土を踏む―前進座中国公演の足跡 歌舞伎学会 編十島 英明 著(発行元 歌舞伎学会,雄山閣〔発売〕草の根出版会 ’09’07発行)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報