出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
大阪府の南東端に位置する市。1954年長野町と三日市,高向(たこう),加賀田,天見,川上の5村が合体,市制。人口11万2490(2010)。南の和泉山脈を隔てて和歌山県と接する。市街は大和川の支流石川の河岸段丘上にあり,市域の大部分は山林である。空海が高野山を開いて後,京都からの東高野街道と堺からの西高野街道がここで合する交通の要地となった。高野山への道筋にあることから,真言宗の寺院が建てられ,南北朝時代には金剛寺,観心寺などが南朝方の拠点の一つとなった。近世には庶民化した高野詣の宿駅として三日市に宿場町が成立した。丘陵部にはミカン,ナシなどが栽培され,山地部はかつて薪炭,高野豆腐の産地として有名であった。明治半ばに農家の副業として始まった高向のつまようじは全国生産の約90%を占め,特産地として知られる。近年は木材,家具工業のほか金属,機械部品工業も盛んになってきた。1960年ころから宅地造成が進み,南海高野線沿線を中心に市街地が拡大している。
執筆者:秋山 道雄
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