江田島(市)(読み)えたじま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「江田島(市)」の意味・わかりやすい解説

江田島(市)
えたじま

広島県西部、広島湾内にある江田島と、陸続きになっている能美(のうみ)島、および周辺の島からなる市。2004年(平成16)安芸(あき)郡江田島町と、佐伯(さえき)郡の能美町、沖美町(おきみちょう)、大柿町(おおがきちょう)の4町が合併して市制施行、広島県15番目の市となった。合併前の町名が、そのまま新市の町名として残されている。

 旧江田島町は江田島全域からなり、広島港や呉(くれ)港から船便があり、両市への通勤者も多い。1888年(明治21)海軍兵学校が置かれ、一漁村は全国的に知られるようになった。1956年以降は海上自衛隊第一術科学校や幹部候補生学校があり、構内の教育参考館は旧海軍の資料を集める。花卉(かき)、野菜栽培のほか、カキ養殖などを行う。

 旧能美町は能美島の中央部を占め、中町港から広島市宇品(うじな)へ高速船やフェリーが通じる。旧沖美町は能美島北西部(西能美島)、大黒神(おおくろかみ)島、大奈佐美(おおなさび)島などからなり、三高(みたか)港から広島市まで船が通じる。旧大柿町は能美島南部(東能美島)からなり、倉橋島呉市とは早瀬大橋で結ばれ、さらに旧音戸町の音戸大橋を通じて本土の呉市ともつながっている。花卉(かき)、ミカン、野菜栽培などの近郊農業が盛んで、カキなどの養殖も行われている。面積100.72平方キロメートル、人口2万1930(2020)。

[北川建次]

『『江田島町史』(1958・江田島町)』『『江田島町史』(2001・江田島町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例