水越村(読み)みずこしむら

日本歴史地名大系 「水越村」の解説

水越村
みずこしむら

[現在地名]庄原市水越町

西城さいじよう川の湯木ゆき川合流点付近南岸に位置し、北は西城川を境に金田きんで(現比婆郡口和町)、東北は高茂こうも村、西は三次みよし穴笠あながさ(現三次市)に接する。恵蘇えそ郡に属した。

流田ながれだ池・上流田かみながれだ池の周辺に新池しんいけ古墳群・流田山ながれだやま古墳群などがあり、須恵器などが出土している。中世には比叡山延暦寺領泉田いずみだ庄高茂村に含まれ、近世になってから分村したといわれる。中世の山城跡とされる岡の壇おかのだんは、なだらかな山頂の南北約一〇〇メートル・東西約六〇メートルの広範囲を土塁と空堀で囲んだもので、泉田庄の三次方面に対する守備にふさわしい位置にあるが、「芸藩通志」にも「守者名を失ふ」とあり、その歴史は不明である。

水越村
みずこしむら

[現在地名]御船町水越

西は坂谷さかだに(現甲佐町)梅木うめぎ村、南は下益城郡甲佐平こうさびら村・貫平かんだいら(現砥用町)に接する。村内を水越川が湾曲しながら流れ、南東郡境でつつ川に合流する。建長三年(一二五一)九月二三日の甲佐社領実検帳写(阿蘇家文書)によれば水越は御内郷に属し、名主給二町が除田分となっている。字山内やまうち山内城跡、字有水の城羽根ありみずのしろばねにある有水城跡は、俗説によれば征西将軍泰成親王が尾坪おつぼ城在城のとき、両城を翼の左右のように護鎮として設けたという(国誌)

水越村
みずこしむら

[現在地名]中田町浅水あさみず

北と東は大きく曲流する北上川で、東の対岸は米谷まいや(現東和町)、南は浅部あさべ村、西は黒沼くろぬま村、北は桜場さくらば村に接する。暦応二年(一三三九)五月日の板崎為重軍忠状(朽木文書)によれば、四月二八日の合戦で負傷した若党は、五月六日「水越宿」にて落命している。寛永六年(一六二九)の白石宗貞宛伊達政宗領知黒印状(伊達家文書)に「一五拾九貫弐拾弐文 袋中之内水越村」とある。正保郷帳に田一一四貫二九六文・畑四二貫八七三文とあり、ほかに同所新田一八貫七一一文があり、旱損と注記される。

水越村
みずこしむら

[現在地名]八尾市水越・西高安にしたかやす町一丁目

大竹おおたけ村の南、神立こうだち村の西にある。高安山麓の村の通例として、村の耕地は東から西へ傾斜し、恩智おんぢ川筋の低地に至る。途中、東高野街道が南北に通る。この街道からまっすぐ東へ玉祖たまおや神社の参道が延びる。この参道にはかつて美しい松並木があり、松の馬場(高安の馬場)といわれた。中世、河内守護家の畠山政長と義就が家督争いをして激しく戦った。寛正元年(一四六〇)閏九月、若江城(現東大阪市)に拠る畠山義就は、大和竜田たつたに陣をとった畠山政長を攻めるべく、この高安の馬場に出陣、ここから二手に分れて、竜田へ向かおうとしたことがある(長禄寛正記)。天正一二年(一五八四)一一月の河内国御給人御蔵入之内より出米目録(中之島図書館蔵)に「弐百八拾壱石 水こし村」とみえ、「やふた伊賀」の知行で、三〇石出米とある。

水越村
みずこしむら

[現在地名]椎葉村松尾まつお 水越

夜狩内よかりうち村の東、下福良掛境の山腹に位置する。下松尾掛一八ヵ村の一つで、掛内二組のうち松尾組に属する。日向国覚書に椎葉山之村形の一村として水越とみえる。延享三年(一七四六)に検地竿入がなされ、畑六反余(高五斗余)が打出された(天明元年「椎葉山高反別取米一村限帳控」内藤家文書)。寛延四年(一七五一)の下松尾村組焼畑見取御年貢米代銀上納帳(相良家文書)では「中入山」以下四山に焼畑一三八枚・二〇町一反余があり、その年貢米二石七斗余・取銀一六五匁余。文政一一年(一八二八)には焼畑高が本高に入れられ、天保九年(一八三八)の椎葉山村々高覚(同文書)では高二一石余。

水越村
みずこしむら

[現在地名]福井市水越町・豊岡とよおか一―二丁目・光陽こうよう四丁目

福井城下の西方、足羽川の曲流部に沿い、北東は菅谷すがや村、西南は飯塚いいづか村。慶長一一年(一六〇六)頃の越前国絵図では北庄下きたのしようしも郷に含まれる。正保郷帳に村名がみえ、田方三六三石余・畠方七五石余。福井藩領で、文政六年(一八二三)の給人地方渡名寄帳によると、本多内蔵助・明石縫殿の相給知行地で、廃藩時家禄一千石の明石氏が六年ほど当村東部に屋敷を構えた。

水越村
みずこしむら

[現在地名]三刀屋町高窪たかくぼ

東は伊萱いがや村、西は法師田ほうしだ村。「三刀屋町誌」によれば、水越村の初見は文永三年(一二六六)三屋みとや神社の棟札に、三刀屋郷一一村惣社と記されたなかにあるという。正保国絵図に村名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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