橋掛り(読み)はしがかり

百科事典マイペディア 「橋掛り」の意味・わかりやすい解説

橋掛り【はしがかり】

橋懸りとも記す。能舞台一部左手に長くのびた廊下で,揚幕(あげまく)を隔てて鏡の間接続演技者通路となる。また,演技距離感立体感を強調するため,舞台延長として活用される。

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世界大百科事典(旧版)内の橋掛りの言及

【能】より


【能舞台】
 能は屋根のある専用の能舞台で演じられる。初期には舞台の後方に橋掛り(はしがかり)を付けるなど,現在と著しく違う形の能舞台もあったが,江戸時代には様式が固定した。能舞台は元来屋外に建造するもので,これと相対する別棟の建物を正規の観客席としたが,勧進能など大衆の入場する催しでは両者の中間にある白洲(しらす)をその席に当てた。…

【能舞台】より


[構造・様式]
 一般に能舞台は,約6m四方(正式には京間(きようま)3間すなわち19.5尺四方)の本舞台の四隅に柱を立て,屋根をかける。これにアト座,地謡座,橋掛り(橋懸りとも)をつける。柱のうち目付柱(めつけばしら)はとくに重要で,演者にとっては演技の目標となる。…

【花道】より

…花道の名称の由来については定説がないが,ただ,花の役者の通り道とか,役者が花を飾って(美しく装って)出てくる道からといった説が妥当かと思われる。歌舞伎の舞台は17世紀後半,舞台面積の拡大に伴って橋掛りも拡幅された。その結果,歌舞伎は出端(では)(登場)の芸を生かすための新しい空間を客席に求め,付け橋掛り(舞台から客席の奥へと仮設された橋掛り)や付け舞台(舞台前面に,舞台から隔てて仮設された横長の台)を設けた経験をもとに花道を設置した。…

※「橋掛り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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