果実酢(読み)カジツス

デジタル大辞泉 「果実酢」の意味・読み・例文・類語

かじつ‐す〔クワジツ‐〕【果実酢】

果汁原料とした酢。醸造酢1リットルにつき300グラム以上の果汁を使用したもの。原材料名前をつけて、りんご酢・ぶどう酢(ワイン酢)などと称する。
果実を漬け込んで風味をつけた酢。炭酸水牛乳などで割って飲む。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「果実酢」の意味・わかりやすい解説

果実酢
かじつす

果汁を原料とする醸造酢の総称JAS(ジャス)(日本農林規格)では、果実酢1リットル中に300グラム以上の果汁が使用されていることが規定されていて、醸造酢でなければならない。りんご酢、ぶどう酢(ワイン酢)、シェリー酒(スペイン特産の白ワイン)を原料にしたシェリー酢などがある。4~5%の酢酸のほか、果実自体に含まれていたクエン酸リンゴ酸などの有機酸を含むのと、香りがよいため、風味のよい食酢である。製法は、果汁そのものを発酵させるか、果汁に水で薄めたエタノールエチルアルコール)を添加し発酵させる。発酵後、数か月貯蔵し熟成させる。風味のよさを利用し、サラダドレッシングマヨネーズに用いられるほか、トマトケチャップやバーベキューソースなど加工調味料の原料としても利用される。

河野友美・山口米子]

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栄養・生化学辞典 「果実酢」の解説

果実酢

 果実を原料とし,ろ過して製造した酢.ブドウ,リンゴなどが原料となる.

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世界大百科事典(旧版)内の果実酢の言及

【酢】より

…酢酸を含む液体酸性調味料で,食酢(しよくす)ともいう。酸敗した酒に起源をもつと考えられ,古く中国では〈苦酒(くしゆ)〉ともいい,日本では〈からさけ〉といった。英語のビネガーvinegarも〈すっぱいブドウ酒〉の意である。世界の諸地域にはそれぞれ伝統的な酒に対応する酢があり,いまでもフランス,イタリア,スペイン,ポルトガルなどのワイン産出地域ではワインビネガー,イギリスではモルトビネガー,日本では米酢(よねず∥こめす)が食酢の中心をしめてきた。…

※「果実酢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」