本別(読み)ほんべつ

日本歴史地名大系 「本別」の解説

本別
ほんべつ

[現在地名]茅部郡鹿部町字本別

天保郷帳にみえる地名で、鹿部の持場。現町域の中央北寄り、本別川の河口一帯にあたる。寛政三年(一七九一)菅江真澄は尾札部おさつべ(現南茅部町)方面から船に乗って「シリカベツの泊」に上陸、北に向かい「坡のやうなるところに家五六たちならびたるをホンベツ」と記している(蝦夷迺天布利)。「蝦夷日誌」(一編)によると、松浦武四郎は砂原さわら(現砂原町)から南下して「テケマ」に至り、「人家壱軒。昆布小屋五六軒も有」と記している。「モノミ浜」は「岩石大難所」、「ホンベツ」は「人家少しヅヽこゝかしこに有也。小川有。越てしばし行て」、「シユクノツヘ川」を越えて鹿部に着いた。同川は「川巾七八間、歩行渡り。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「本別」の意味・わかりやすい解説

本別[町] (ほんべつ)

北海道南東部,十勝支庁中川郡の町。人口8275(2010)。町域は十勝川の支流利別川中流域に位置し,東と西に丘陵地が広がる。中心市街は利別川と支流本別川,美里別(びりべつ)川の合流点に発達し,国道242号線が通じ,274号線を分岐する。道東自動車道のインターチェンジがある。1893年はじめて和人が入植し,1910年に網走線(のちの北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線は,2006年廃線)の開通以後,本格的に開拓が進んだ。森林が町域の過半を占め,林業が町の発展に重要な役割を果たしてきた。酪農を主とし,小麦,テンサイ,豆類などを産する。製糖乳製品,木材加工などの工場もある。本別駅西方の美里別川沿いに本別温泉(セッコウ泉,43℃)がある。
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