鹿部(読み)しかべ

改訂新版 世界大百科事典 「鹿部」の意味・わかりやすい解説

鹿部[町] (しかべ)

北海道南西部,渡島(おしま)支庁茅部(かやべ)郡の町。駒ヶ岳の南東麓,太平洋に面する。人口4767(2010)。1628年(寛永5)この地に鹿部温泉が発見され,1774年(安永3)には箱館(函館)からの道路も開かれた。古くから湯治場として知られ,さらに沿岸部には漁民も住みつくようになった。1929年の駒ヶ岳の大噴火では壊滅的な打撃をうけたが,住民の努力により奇跡的な復興を果たした。就業者の50%(1990)が漁業就業者に占められる純漁村で,主な漁獲物はスケトウダラ養殖ホタテガイ,コンブである。また,温泉熱を利用してウナギの養殖も行われる。町の中心部には間欠泉も見られる。JR函館本線が通る。
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