20世紀日本人名事典 「木村 毅」の解説
木村 毅
キムラ キ
大正・昭和期の文芸評論家,小説家,文学史家 元・明治文化研究会会長。
- 生年
- 明治27(1894)年2月12日
- 没年
- 昭和54(1979)年9月18日
- 出生地
- 岡山県勝南郡勝間田村(現・勝田郡勝央町)
- 学歴〔年〕
- 早稲田大学文学部英文学科〔大正6年〕卒
- 学位〔年〕
- 文学博士(早稲田大学)〔昭和36年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 菊池寛賞(第26回)〔昭和53年〕
- 経歴
- 小学生時代から文学に親しみ、「少年世界」などに投稿する。大学卒業後、大正7年1月に隆文館に入社したが、11月創立されたばかりの春秋社に入社し、12年まで勤務する。13年「小説の創作と鑑賞」を刊行し、14年には「小説研究十六講」及び第1創作集「兎と妓生と」を刊行。13年日本フェビアン協会を創設、また吉野作造、尾佐竹猛を中心に結成された明治文化研究会に参加、「明治文化全集」の編集に貢献。以後、幅広い分野で活躍し、大正から昭和初期にかけての円本全集の企画にも参加する。昭和3年から5年にかけて、ヨーロッパ各地を旅行。戦後も幅広く活躍し、早稲田大、上智大、明治大、立教大などで教え、37年松陰女子大学教授に就任。36年には母校早稲田大学より文学博士号を授与される。また23年には第3代の明治文化研究会会長に就任したほか、自由出版協会理事長、東京都参与、早大史編纂学外委員などを務めた。53年明治文化研究者として一時代を画し、文化交流に在野から幾多の貢献をし、常に時代の先導的役割を果たしたことで菊池寛賞を受賞。著書は数多く、ほかに「樗牛・鷗外・漱石」「文芸東西南北」「明治文学展望」「大衆文学十六講」「日本スポーツ文化史」「日米文学交流史の研究」「丸善外史」や小説「ラブーザお玉」「旅順攻囲軍」「明治建設」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報