妓生(読み)キーサン

デジタル大辞泉 「妓生」の意味・読み・例文・類語

キーサン【妓生】

《〈朝鮮語〉。「キーセン」とも》朝鮮芸妓げいぎ古くは、宮中舞楽をし高官接待する官妓と、一般の宴席で客を接待する民妓とがあった。

キーセン【妓生】

《〈朝鮮語〉》⇒キーサン

ぎ‐せい【×妓生】

「キーサン」を日本語読みした語。

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精選版 日本国語大辞典 「妓生」の意味・読み・例文・類語

キー‐サン【妓生】

〘名〙 (gi-saiŋ 「妓生」の朝鮮漢字音)⸨キーセン⸩ (朝鮮の)芸妓。古くは官妓と民妓の二つがあり、前者は宮中の舞楽を行ない、役所の高官の接待に当たるもの、後者は宴席に侍して音楽舞踊などをするものであった。現在韓国にあるものは民妓。
朝野新聞‐明治一八年(1885)四月一九日「妓生(キーサン)に祿を与へて官妓と称するに至りしなりと」

ぎ‐せい【妓生】

〘名〙 キーサン(妓生)の漢字日本漢字音で読んだ語。〔現代語大辞典(1932)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「妓生」の意味・わかりやすい解説

妓生
ぎせい / キーセン

朝鮮の、歌舞を職業とする女性の総称、また芸妓(げいぎ)をいう。古くは官妓と民妓があり、ソウルと平壌(ピョンヤン)に妓生を養成する学校があった。15歳から20歳までの娘を入学させ、歌舞のほかに礼節、詩、詩画などを厳しく仕込み、上流社会の人士の趣向にあうよう養成したが、いまはその制度はない。統一新羅(しらぎ/しんら/シルラ)の礎(いしずえ)となった花郎(ファラン)の前身源花(ウォンファ)と、水草を追う漂泊人の楊水尺(ヤンスチョク)の女たちを発生源とする二つの説があり、両者の混融も考えられる。高麗(こうらい/コリョ)の宮廷神事である八関会(パルクワンフェ)と燃灯会(ヨンドンフェ)での女楽奉納が官妓の始まりであり、のち女医、縫裁などをも兼務した。官妓から黄真伊(こうしんい)(1506―1544)、論介(ろんかい)(1574?―1593)など多くの名妓が出た。官妓の制度が廃れたのちもその気風は伝承され、今日、妓生出身の無形文化財に指定された芸能者が多い。

[金 両 基]

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普及版 字通 「妓生」の読み・字形・画数・意味

【妓生】キーサン

朝鮮の妓女。

字通「妓」の項目を見る

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