月村(読み)つきむら

日本歴史地名大系 「月村」の解説

月村
つきむら

[現在地名]天竜市月

伊砂いすか村の北、天竜川の中流域右岸に位置する。慶長七年(一六〇二)奥山・西手領惣高書上帳(片桐家文書)に村名がみえ、永高一八貫文。寛永一〇年(一六三三)の西手・奥山領成箇納帳(山田家文書)によれば永高一二貫七〇六文、うち寺社領四〇〇文、川成一貫三三二文を差引いた年貢を紙・綿・漆・茶(以上すべて金納)鐚銭で納め、ほかに立物二割出・口銭を納めた。正保郷帳でも同永高。元禄郷帳では高一二八石余。享保六年(一七二一)の村明細帳(鈴木家文書)によれば、延宝三年(一六七五)検地反別一八町余、享保六年の家数六八・人数二九七、馬一一。

月村
つきむら

[現在地名]東栄町月

御殿ごてん山南麓、御殿川流域に位置する。南の標高一〇一六メートルの明神みようじん山北麓で、尾籠びろう川上流の尾籠は当村の分郷。尾籠では、天正一八年(一五九〇)九月二七日に検地が行われたと伝え、名請人一九名が記されるという(設楽)。また当村の同年検地帳(月区有)表題には「三州設楽郡振草郷月村御検地帳」と記され、当地が中世振草ふりくさ郷に属したことが知られる。宝永三年(一七〇六)の乍恐口上書以奉願上候御事(北設楽郡史)に「自林雑丸太少々宛御座候に付、前々より御断り申し上げ、伐り出し、遠州浦川迄川下げし仕り、伐跡焼畑仕」とあり、伐採した木材は遠州まで川下げし、伐跡を焼畑として利用している様子がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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