晒・曝・曬(読み)さらす

精選版 日本国語大辞典 「晒・曝・曬」の意味・読み・例文・類語

さら・す【晒・曝・曬】

〘他サ五(四)〙
① 日光にあてておく。干す。
常陸風土記(717‐724頃)那賀「布を浣(あら)ひ、曝(さら)し乾せり」
※天草本伊曾保(1593)鷲と烏の事「saraite(サライテ) ヲイタ ヒツジノ カワノ ウエニ」
② 布などの色を白くするために、灰汁(あく)で煮たのち水で洗って日光に干す。単に水で洗って日光にあてて白くすることもあり、現代では薬品で処理して白くする。
万葉(8C後)一四・三三七三「多摩川に左良須(サラス)手作りさらさらになにそこの児のここだ愛(かな)しき」
古今(905‐914)雑上・九二四「たがためにひきてさらせるぬのなれや世をへてみれどとる人もなき〈承均〉」
③ 洗う。
※万葉(8C後)七・一一五一「大伴御津浜辺を打ち曝(さらし)寄せ来る浪の行方知らずも」
④ 屋外に置いて雨風の当たるままにしておく。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「東の国の人は道の辺に骸をば曝(サラシ)
⑤ あらわに人に示す。広く人々の目に触れるようにする。あまねく世間に知らせる。
※竹取(9C末‐10C初)「まづ射殺して外にさらさんと思ひ侍る」
日葡辞書(1603‐04)「トガヲ sarasu(サラス)〈訳〉罪を人に示す」
⑥ いつどうなるかわからないような、好ましくない状況に置く。
肉体悪魔(1946)〈田村泰次郎〉「これらの陣地は絶えず敵襲に曝されてゐた」
⑦ 目をある物に向けて、見開いたままにしている。ある物を見ることに専念する。
※日葡辞書(1603‐04)「ガクモンニ マナコヲ sarasu(サラス)
※談義本・風流志道軒伝(1763)一「日夜、朝暮仏経に眼をさらし」
⑧ さらしの刑に処する。梟(きょう)す。
浄瑠璃傾城反魂香(1708頃)三熊野「親子諸共獄門にさらさるべし」
⑨ 相場で、売買の注文を市場に出す。売買をする。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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