春日紀行(読み)かすがきこう

日本歴史地名大系 「春日紀行」の解説

春日紀行
かすがきこう

一冊 柳楢悦著 明治四年稿

写本 北海道大学附属図書館

解説 原本不明。兵部省海軍少佐柳楢悦が北海道沿海測量の命をうけ、明治四年二―六月、軍艦春日に乗って北海道太平洋沿岸を北上して根室に至り、周辺の諸島海域を測量・調査し、さらに函館に戻って日本海沿岸を石狩まで航海調査した際の日記。困難をきわめた航海中の出来事のほか、地域の自然・産物集落等の状況に加え、アイヌとの接触の様子などを詳細に記す。日本人のみによる最初の水路測定事業の記録として、また海側からながめた明治初めの北海道の姿を写したものとして貴重。

構成 第一号(二月二九日―三月二九日 東京―野付)、第二号(四月一―三〇日 野付―国後島―根室―浜中)、第三号(五月一―三〇日 浜中―室蘭―函館―江差―寿都)、第四号(六月一―二九日 寿都―小樽―石狩)。「新しい道史」四〇・四一・四二。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報