精選版 日本国語大辞典 「江差」の意味・読み・例文・類語
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北海道南西部,檜山支庁檜山郡の町。人口9004(2010)。中央を厚沢部(あつさぶ)川が流れ,南部は山や丘陵が多く,山麓が海岸線に迫っている。沖合500mにある鷗(かもめ)島との間は自然の良港となり,市街地はこの対岸の海岸段丘上に発達している。松前藩によるヒノキの伐採やニシン漁で繁栄し,北海道の商業の中心地として発達した。その後ニシン漁の不振,内陸部の開発の前進からしだいに衰えた。ニシン漁の守護神であった姥神大神宮,廻船問屋の中村家(重要文化財),横山家などの史跡に富む。また鷗島は,義経にかかわる伝説のある地であり,松前藩台場跡,江差追分節記念碑などの文化財も多く,海水浴場,釣場としても親しまれている。江差線の終点をなし,奥尻島への海路の玄関口ともなっている。
執筆者:奥平 忠志
古くは〈江指〉とも書かれた。アイヌ語の〈エ・サ・ウシ・イ(岬)〉の意。集落の成立時期は定かでないが,1678年(延宝6)松前藩がアッサブの檜山管理を目的に同地に檜山番所を設けて以来,ヒノキ材の搬出港として徐々に発展し,元禄期(1688-1704)以降江差近在でのニシン漁業の発達に伴い人口の急増をみ,18世紀初頭ころには,城下町福山(現,松前町)に次ぐ港町へと成長し,松前三湊(福山,江差,箱館)の一つに数えられるに至った。その後もニシン漁業を背景に経済的発展をみ,〈江差の五月は江戸にもない〉といわれるほどのにぎわいをみせたが,明治以降はニシン場の北上などに伴いしだいにさびれた。箱館戦争の際同港で座礁沈没した旧幕府軍艦開陽丸の遺品などの歴史的資料も多い。
執筆者:榎森 進
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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