昏(漢字)

普及版 字通 「昏(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 8画

[字音] コン
[字訓] くれ・よる・くらい

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
氏+日。氏は肉を切る小刀の形。氏族共の時、これを用いて肉を切り頒(わか)つので、のち氏族の意に用いる。日の形の部分はおそらく肉塊の象。卜辞に「旦より昏に至るまで雨ふらざるか」のように、昏旦の字に用いる。〔説文七上に「日冥(くら)きなり。日との省とに從ふ。なるは下(ひく)きなり。一に曰く、民の聲なり」とするが、字はや民に従う形ではない。婚姻の婚は、金文字形は酒爵の形に従っており、その儀礼をいう。昏を婚儀の意に用いるのは、昏が氏族結合の儀礼であることと、その儀礼が昏夕のときに行われることによるのであろう。昏はまた婚の初文で、古くは昏の字を用いるのが例であった。

[訓義]
1. くれ、くれがた、ひぐれ、よる。古くは重要な儀礼・祭祀は、昏(くれ)より行われた。
2. こんれい、めとる、つまどる。
3. 婚姻の関係にある人、姻戚
4. くらい、おろか、まよう、みだれる。
5. たおれる、しぬ。
6. と通じ、門番

[古辞書の訓]
名義抄〕昏 クラシ・ヒクル・ユフベ・コハシ・ツトム・ウツ・ヤミ・クル

[声系]
〔説文〕に昏声として・婚など十一字を収める。おおむね昏の声義を承ける字である。

[語系]
昏・婚・xunは同声昏冥の意より、事理の乱することをもいう。

[熟語]
・昏・昏闇・昏暗昏姻昏暈・昏昏援・昏花・昏嫁昏臥昏瞶・昏昏坎昏棄・昏季・昏逆昏虐・昏狂・昏暁・昏・昏君・昏眩・昏鼓・昏昏狡・昏黄・昏黒昏昏・昏困・昏作・昏撒昏恣昏祠・昏時・昏日・昏主昏娶・昏夙・昏曙・昏鈔・昏鐘・昏上・昏情・昏昃・昏晨・昏人・昏睡・昏酔・昏正・昏夕・昏絶・昏然・昏俗・昏惰・昏怠・昏・昏濁・昏旦・昏誕・昏虫・昏昼・昏朝・昏沈・昏第・昏・昏天・昏頭・昏倒・昏瞳・昏徳・昏憊・昏漠・昏晩・昏煩・昏微・昏・昏・昏忘・昏罔・昏・昏・昏・昏暴・昏・昏墨・昏・昏霾・昏夢・昏霧・昏迷・昏明・昏冥・昏・昏耄・昏目・昏悶・昏夜・昏黝・昏夭・昏庸・昏乱・昏礼・昏老・昏惑
[下接語]
雨昏・雲昏・烟昏・海昏・眼昏・江昏・黄昏・合昏・酒昏・初昏・神昏・晨昏・酔昏・旦昏・昼昏・朝昏・定昏・童昏・霧昏・冥昏・昏・耄昏・昏・幽昏・夭昏・柳昏・林昏・老昏

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報