日之影町(読み)ひのかげちよう

日本歴史地名大系 「日之影町」の解説

日之影町
ひのかげちよう

面積:二七七・八〇平方キロ

西臼杵郡の東部に位置し、北は大分県南海部みなみあまべ宇目うめ町・同県大野おおの緒方おがた町、東は五ヶ瀬川の支流つな川を挟み東臼杵郡北方きたかた町、西は高千穂町、南は東臼杵郡北郷きたごう村・諸塚もろつか村に接する。町の中央部を五ヶ瀬川が流れ、南北に細長く延びた山間の町である。標高一〇〇〇メートルを超える山々が迫る断崖上部の台地、五ヶ瀬川とその支流沿いに大小の集落が形成されている。五ヶ瀬川沿いに国道二一八号と高千穂鉄道が走るが、昭和六一年(一九八六)には日之影バイパスが完成し、現在は高千穂町から北方町まで結ばれている。日之影バイパス沿いは明治時代まで熊本県・大分県に至る高千穂往還として人々の往来が盛んであった。

五ヶ瀬川支流の日之影川上流の見立みたてに宮崎県を代表する旧石器時代の遺跡である出羽いずるは洞穴がある。日之影川沿いには磨消縄文土器を主体とする新畑にいばた洞穴や大溜おおだまり遺跡など縄文時代後期の遺跡が分布する。古墳時代の遺跡としては七折村ななおりむら古墳(昭和一〇年に県指定史跡)に属する平清水ひらしみず横穴群が日之影川北岸の平清水集落入口にある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日之影町」の意味・わかりやすい解説

日之影〔町〕
ひのかげ

宮崎県北西部,五ヶ瀬川中流域にある町。1951年岩井川村と七折村が合体,日の影町として町制。1956年岩戸村の一部を編入して現町名に改称。江戸時代は延岡藩領。町域の大部分山地で,木材シイタケクリなどを産し,畜産も行なわれる。見立渓谷,国指定名勝の矢筈岳クルメツツジが美しい天神山公園などがあり,また国指定天然記念物の七折鍾乳洞北端傾山祖母傾国定公園に指定されている。五葉岳の西斜面にある見立鉱山はスズ,銅を産したが 1963年閉山。中央部を五ヶ瀬川が西から東に流れ,川に沿って国道218号線が走っている。面積 277.67km2人口 3635(2020)。

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