推定
すいてい
presumption
あることから他のことを推測,認定すること。事実上の推定と法律上の推定に分けられる。前者は,すでに証明された事実を基礎として,経験則を用いて行う推定である。衣服に被害者の血痕が付着していたという事実から,殺人の事実を推定するといった場合がこれにあたる。後者はさらに,法律上の事実推定と法律上の権利推定に分けられる。法律上の事実推定とは,一定の法律効果の構成要件事実としての甲事実を,別の乙事実によって推論することを法が定めている場合である (民法 186条2項など) 。法律上の権利推定とは,甲事実の存在から直接乙権利の存在を推論するものである (民法 188条など) 。推定は反対の事実があることの証明があればその効果を生じないことになり,その点で擬制とは異なる。
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すい‐てい【推定】
〘名〙
① あることをもとにしてこうだろうと判断すること。推測して決定すること。
※情供証拠誤判録(1881)〈高橋健三訳〉叙言「之を以て、ドネランは正しく其兇手なりと推定するを得るものとなす可きや」
② 法律で、はっきりしない事実を、その反対の証拠があがるまでは、真実のものと認めておくこと。
※民法(明治二九年)(1896)一八六条「平穏且公然に占有を為すものと推定す」
③ 数学で、未知の集団(母集団)から取り出した見本(標本)をもとに、母集団の平均や分散をおしはかること。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
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デジタル大辞泉
「推定」の意味・読み・例文・類語
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普及版 字通
「推定」の読み・字形・画数・意味
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