日本大百科全書(ニッポニカ) 「手塚富雄」の意味・わかりやすい解説
手塚富雄
てづかとみお
(1903―1983)
独文学者、評論家。栃木県宇都宮市生まれ。東京帝国大学独文科卒業。東大、立教大、共立女子大教授を歴任。繊細精緻(せいち)な感性と解釈力でゲーテ、ヘルダーリン、カロッサらの内面を味到、『ファウスト』は名訳とされる。ヒューマンなエッセイも多い。主著『ヘルダーリン』(1977~80)で1981年、文化功労者となる。学士院会員。ほかに『ドイツ近代詩人論』(1949)、『一青年の思想の歩み』(1954)、『ゲオルゲとリルケの研究』(1960)、『ものいわぬ日本を考える』(1972)などの著書がある。
[高橋英夫]
『『手塚富雄著作集』全八巻(1980~81・中央公論社)』