手回・手廻(読み)てまわり

精選版 日本国語大辞典 「手回・手廻」の意味・読み・例文・類語

て‐まわり ‥まはり【手回・手廻】

〘名〙
① 手の届くあたり。身の回り身辺。てもと。てぢか。また、身辺に置いて使うもの。〔文明本節用集(室町中)〕
翁問答(1650)下「私用は、飲食、衣服宮室妻妾、てまわりにさしつかふ臣僕などのざうようなり」
② いつも傍に侍っている者。常に身近に仕えて主人の雑用にあたる者。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)五立「お姫様といふものは、〈略〉お手廻(テマハ)りばかり遣うて、御自分でなさるものではござりませぬわいな」
大将の側近くに仕える護衛武士
浄瑠璃宇治の姫切(1658)二「家の後見なかみつをはじめ、御てまはりの若侍、かれ是三十五き」
④ 暮らし向き。
※浄瑠璃・心中宵庚申(1722)中「手廻りもよくいくはへか庭に五つのたなつ物」
浮世草子日本永代蔵(1688)五「力も入ずしてしかも一人して手廻(てマハ)りよく是をはじめける」
※経済小学家政要旨(1876)〈永峰秀樹訳〉三「日々の課業(しごと)を定め置けば必ず手廻りも能く事も捗取るものにして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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