懦(漢字)

普及版 字通 「懦(漢字)」の読み・字形・画数・意味


17画

[字音] ダ・ジュ
[字訓] よわい・ゆるい・おとる

[説文解字]

[字形] 形声
声府は需(じゆ)。需に(どう)・儒(じゆ)の声がある。〔説文〕十下に「駑(どじやく)なり」(段注本)とし、また「柔なり」とする訓があったようである。需は雨乞いをする巫祝の形。(ぜん)も需と声義の近い字で、懦弱の意がある。需・の字に含まれている而(じ)の形は、頭を(こん)にした巫祝の形。その人をといい、雨乞いする儀礼を需といい、巫祝から出て儀礼に携わる者を儒という。

[訓義]
1. よわい、やわらか、ゆるやか。
2. おとる、つたない。

[古辞書の訓]
名義抄〕懦 ヨワシ/ ツタナシ

[語系]
懦nuai、njiuanはみな而に従い、その声義を承ける字である。・軟njiuanも同声。(なん)は人の後ろより胯間に手を入れる形で、皮膚の最も柔らかいところ。nuan、nunも声義近く、みな柔弱の意があり、これらは一系をなす語とみてよい。

[熟語]
懦闇・懦懦怯懦響懦衿懦襟懦愚懦弛懦者・懦弱・懦懦孱懦退・懦鈍懦軟・懦薄懦靡懦品懦夫懦庸懦劣
[下接語]
畏懦・怯懦

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報