愁殺（読み）シュウサツ

デジタル大辞泉

しゅう‐さつ〔シウ‐〕【愁殺】

［名］(スル)非常に嘆き悲しむこと。また、非常に嘆き悲しませること。しゅうさい。
「水遠く山長く人を―す」〈露伴・露団々〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しゅう‐さつ シウ‥【愁殺】

〘名〙 (「殺」は意味を強める語) 非常にうれえ悲しむこと。また、この上なく嘆き悲しませること。しゅうさい。

※空華集（1359‐68頃）八・追和旧韻酬済大航「旧年詩債積如_レ薪、今歳未_レ還愁_二殺人_一」

※太平記（１４Ｃ後）一八「似絵に書かせて御覧ぜられしかども、『不_レ言不_レ笑令_レ愁_二殺(シウサツ)人_一』と、武帝の歎き給ひけんも」 〔古詩十九首‐其一四〕

しゅう‐さい シウ‥【愁殺】

〘名〙 ＝しゅうさつ（愁殺）

※読本・忠臣水滸伝（1799‐1801）前「我彼花を看上了してより心中頻に愁殺(シウサイ)（〈注〉ハナハダウレフ）し、おもひわすれがたく」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【愁殺】しゆう（しう）さつ

ひどく嘆かせる。唐・岑参〔胡笳歌、顔真の使して河に赴くを送る〕詩　君聞かずや、胡笳(こか)の聲最も悲しきを　紫(しぜん)眼の胡人吹く　之れを吹く、一曲ほ未だらざるに　愁す、樓(ろうらん)征戍(せいじゆ)の兒

字通「愁」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」