精選版 日本国語大辞典 「恐・畏・怖・懼」の意味・読み・例文・類語
おそ・れる【恐・畏・怖・懼】
〘自ラ下一〙 おそ・る 〘自ラ下二〙
① 恐怖を感ずる。身に危険を感じたりしてびくびくする。心がひるむ。
※平家(13C前)八「軍(いくさ)におそれて下人ども皆落ちうせたれば」
② 何か悪いことが起こるのではないかと気づかう。心配する。あやぶむ。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「季英(すゑふさ)が便(たより)を失ひ、学問に疲るるをば、一度のしきおこなふおそれて」
③ かしこまる。畏敬する。おそれおおく思う。恐縮する。
④ =おそれいる(恐入)⑤
[語誌](1)「おそる」は、古くは四段または上二段の活用をし、中古から次第に下二段が普通になるが、その後も四段・上二段は訓読語の中に残存する(→「おそる(恐)」の語誌)。
(2)平安時代後期まではおもに漢文訓読系の文章に用いられたが、それ以後訓読系の文に限らず多用され、急速に一般化した。しかし、日常語として古来用いられたのは、主に「おづ(おじる)」である。
(3)一般に、「おづ」が無意識的な身体的反応としての恐怖の動作を表わすのに対し、「おそる」はどちらかというと、意識的・精神的な反応を表わす。したがって「おそる」は、恐怖だけでなく、将来を危惧したり、他人のことを心配したり、尊貴なものを畏怖したりする場合にも使われる。→「おじる(怖)」の語誌
(2)平安時代後期まではおもに漢文訓読系の文章に用いられたが、それ以後訓読系の文に限らず多用され、急速に一般化した。しかし、日常語として古来用いられたのは、主に「おづ(おじる)」である。
(3)一般に、「おづ」が無意識的な身体的反応としての恐怖の動作を表わすのに対し、「おそる」はどちらかというと、意識的・精神的な反応を表わす。したがって「おそる」は、恐怖だけでなく、将来を危惧したり、他人のことを心配したり、尊貴なものを畏怖したりする場合にも使われる。→「おじる(怖)」の語誌
おそ・る【恐・畏・怖・懼】
(平安以前では、上二段、四段、下二段と活用し、のち下二段が残る。→おそれる)
[1] 〘自ラ上二〙 =おそれる(恐)
[2] 〘自ラ四〙 =おそれる(恐)
※不空羂索神呪心経寛徳二年点(1045)「若し疾疫の鬼魅身に著くこと恐(オソラ)ば」
[3] 〘自ラ下二〙 ⇒おそれる(恐)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報