普及版 字通 「忘(漢字)」の読み・字形・画数・意味
忘
常用漢字 7画
(旧字)
7画
[字訓] わすれる
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(亡)(ぼう)。〔説文〕十下に「らざるなり。心に從ひ、に從ふ。は亦聲なり」とあり、(識)とは記憶にあることをいう。は周初の金文に字をに作り、(望)に従う。のち列国期の金文にはおおむねの字を用いる。〔儀礼、士冠礼〕に「壽考(や)まず」とあるものは、〔詩、小雅、〕に「其の爽(たが)はず 壽考まず」とみえ、古いいい方なのであろう。の字形から考えると、望気をして、災いをやめるように祈ることが、この語の原義であったようである。
[訓義]
1. やめる、なくする。
2. わすれる、ゆるがせにする。
3. すてる、つきる、失う。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ワスル・スツ・イルガセ・ノゾム 〔字鏡〕 サマス・スツ・ミダシ・ワスル 〔字鏡集〕 ワスル・サトラス・イルガセ・サマス・スツ
[語系]
・miuangは同声。muan、滅miatも声義近く、(まん)は〔説文〕十下に「るるなり」、滅十一上は「盡くるなり」とあり、一系の語とみてよい。
[熟語]
忘恩▶・忘家▶・忘我▶・忘懐▶・忘艱▶・忘帰▶・忘記▶・忘機▶・忘己▶・忘却▶・忘形▶・忘▶・忘言▶・忘吾▶・忘忽▶・忘昏▶・忘魂▶・忘▶・忘私▶・忘愁▶・忘情▶・忘食▶・忘身▶・忘神▶・忘筌▶・忘断▶・忘年▶・忘念▶・忘八▶・忘反▶・忘本▶・忘憂▶・忘労▶
[下接語]
遺忘・棄忘・闕忘・健忘・忽忘・昏忘・坐忘・善忘・頓忘・廃忘・弭忘・備忘・慢忘・惑忘
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報