御勅使川(読み)みだいがわ

日本歴史地名大系 「御勅使川」の解説

御勅使川
みだいがわ

巨摩山地早川はやかわ町・芦安あしやす村境にあるドノコヤ峠(標高一五一八メートル)の東麓に発し、金山沢かなやまざわ川と合して東流、芦安村の渓谷を出て白根しらね有野ありの八田はつた村を流れ釜無川と合流する。延長一八・八キロ、一級河川。上流は幼年期のV字谷を刻み、甲府盆地に出て広大な扇状地を形成している。表記・訓は近世中期以前の地方文書の多くは「みでい川」と書き、御勅使の文字を使うようになったのは元禄―宝永(一六八八―一七一一)以後である。「甲斐国志」は「御勅使みでい川」とし、地元では今も「みでい」とよび、水出川が語源であるという。急流河川ですぐに釜無川と合流するため、洪水のときは釜無川を押流して甲府盆地一帯に大被害をもたらした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「御勅使川」の意味・わかりやすい解説

御勅使川
みだいがわ

山梨県の甲府盆地の西方、巨摩山地(こまさんち)から流下し、甲斐(かい)市で釜無川(かまなしがわ)に注ぐ川。延長18キロメートル。2000メートル余りの高度差を流下する急流で侵食が激しく、流域面積が広いことから、峡谷部での水位変動も大きく、代表的な扇状地をもつと同時に、荒れ川として知られる。上流の夜叉神峠(やしゃじんとうげ)は南アルプス北部への入山路として知られるほかに桃ノ木温泉などでも知られ、古くは早川方面への通路であった。

吉村 稔]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御勅使川」の意味・わかりやすい解説

御勅使川
みだいがわ

山梨県西部を流れる釜無川の支流全長 18km。甲府盆地西縁の巨摩山地にあるドノコヤ峠付近に源流をもち,北東流して盆地北西部で釜無川に流入する。急流で流量の変化が大きい荒れ川で,長年にわたり治水に力が注がれた。多量の土砂運び山麓に形成された広大な御勅使川扇状地では,モモ,ブドウなどの果樹栽培が盛ん。

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事典・日本の観光資源 「御勅使川」の解説

御勅使川

(山梨県韮崎市)
ふるさとの水辺百選」指定の観光名所。

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