床柱(読み)トコバシラ

デジタル大辞泉 「床柱」の意味・読み・例文・類語

とこ‐ばしら【床柱】

床の間の脇に立つ化粧柱。面取り角柱正式とするが、面皮柱めんかわばしら円柱使い紫檀黒檀鉄刀木たがやさんなどの唐木、または皮付き自然木などを用いる。
[類語]大黒柱支柱

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精選版 日本国語大辞典 「床柱」の意味・読み・例文・類語

とこ‐ばしら【床柱】

〘名〙 家屋の床の間のわきの柱。初め両側の柱をいったが、後には違棚との間の柱を特に重んじ、これをさすようになった。銘木を用いることが多い。
※細川三斎御伝受書(1645頃か)「床柱の松と栗は、何を左右に立ててもさし合なし」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「床柱」の意味・わかりやすい解説

床柱
とこばしら

床の間と違い棚の間、あるいは床の間が張り出しているときその出隅に立つ柱。正式の書院造ではほかの柱と同寸ヒノキの柱であるが、とくに柾目(まさめ)を選んで用いる。数寄屋(すきや)風の書院茶室では丸太などを用いる。

平井 聖]

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「床柱」の解説

とこばしら【床柱】

床の間の脇(わき)に立つ化粧柱。特に、床の間違い棚の間にあるもの。正式には3面に柾目(まさめ)が現れた三方柾(まさ)(または四方柾)の角柱を用いる。略式には円材、皮付きの自然木なども用いる。

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世界大百科事典(旧版)内の床柱の言及

【床の間】より

…床板の上には香炉,花瓶,燭台からなる三具足(みつぐそく)を置き,床の間の両隣には書院と違棚(ちがいだな)を設けるのが正式である。このような書院造の床の間に対して,茶室や数寄屋にも書画を飾る床の間が設けられるが,この場合は形式はかなり自由に扱われ,樹皮のついた床柱や形の変わった床柱が使われ,内部を壁で塗りまわした室床(むろどこ)や洞床(ほらどこ),落掛から床の上部だけを釣った釣床(つりどこ),入込みにならず壁面の上部に軸掛けの幕板を張っただけの織部床(おりべどこ)など,多様な形式のものがある。江戸時代は庶民の住宅では床の間を作ることを禁じられていたが,18世紀の中ごろ以降になると,多くの家で座敷に数寄屋系の床の間を設けるようになる。…

※「床柱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」