差合・差会・差遇(読み)さしあう

精選版 日本国語大辞典 「差合・差会・差遇」の意味・読み・例文・類語

さし‐あ・う ‥あふ【差合・差会・差遇】

[1] 〘自ハ四〙
① 出会う。行きあう。でくわす。
落窪(10C後)一「あまた火ともさせて、小路ぎりに辻にさしあひぬ」
② 映り合う。光などを受けて、それに応じて輝く。
源氏(1001‐14頃)若菜上「山際よりさし出づる日の、花やかなるにさしあひ、目も輝く心ちする御さまの」
③ さしさわりがある。不都合がある。さしつかえる。
※源氏(1001‐14頃)葵「大宮の御かたざまに、もてはなるまじきなど、かたがたに、さしあひたれば」
④ 「さしあい(差合)④」の状況である。
※浮世草子・傾城禁短気(1711)五「さしあふをしらぬ顔であげ屋に来り」
⑤ 破損する。こわれる。
※醍醐寺新要録(1620)「所打折之桁の端も指合ては子木を作入云々」
⑥ 隣り合う。境を接する。近接する。また、向きあう。対峙する。
今昔(1120頃か)三一「陸奥の国の奥に有夷の地に差合たるにや有らむ」
⑦ 重なり合う。集中する。
※源氏(1001‐14頃)真木柱「かたがたのおとどたち、この大将の御いきほひさへさしあひ」
[2] 〘他ハ四〙
① (酒などを)互いにつぎあう。さしつさされつする。
※今昔(1120頃か)一九「世に不似ず美き酒にて有ければ、三人指合て」
② 互いに言いあう。また、非難しあう。
太平記(14C後)二七「喩へば山賊と海賊寄合て、互に犯科の得失を指合が如し」
相撲で、互いに手を、相手脇腹と腕の間に入れる。
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉四十八手裏表四つとは互に腕を差合(サシア)って、敵の褌(まはし)を引いて組んだ形を言ひ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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