真木柱(読み)マキバシラ

デジタル大辞泉 「真木柱」の意味・読み・例文・類語

まき‐ばしら【真木柱/×槙柱】

[名]ひのきや杉で作った柱。
「―作る杣人そまびといささめに仮廬かりほのためと作りけめやも」〈・一三五五〉
(真木柱)源氏物語第31巻の巻名。鬚黒ひげくろ大将玉鬘愛人としたために起こる家庭内の紛争を描く。また、鬚黒大将の娘の名。
[枕]真木柱は太いものであるところから、「太し」にかかる。
「―太き心はありしかどこの心鎮しづめかねつも」〈・一九〇〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「真木柱」の意味・読み・例文・類語

まき‐ばしら【真木柱】

[1] 〘名〙 杉や檜などの材で作った柱。
万葉(8C後)七・一三五五「真木柱作るそま人いささめに仮廬のためと作りけめやも」
[2] (一)は太いものであるところから、「太し」に掛かる。
※万葉(8C後)二・一九〇「真木柱太き心は有りしかどこの吾が心鎮(しづ)めかねつも」
[3]
[一] 「源氏物語」第三一帖の名。玉鬘十帖の第一〇。源氏三七歳の一〇月から翌年一一月まで。玉鬘が鬚黒(ひげくろ)の大将と結婚したあと、鬚黒の北の方の煩悶・狂乱ぶりをはじめとするさまざまの波乱と、玉鬘の尚侍(ないしのかみ)になっての出仕、鬚黒の熱愛ぶりなどを描く。
[二] 「源氏物語」の登場人物。鬚黒と北の方との間の長女。母の離婚で、母とともに祖父式部卿宮に引き取られ、父にも会えないのを嘆く。明朗な性格で、蛍兵部卿宮と結婚、その死後は紅梅大納言と再婚し、実子や連れ子を分け隔てせず育てた。

まけ‐ばしら【真木柱】

〘名〙 「まきばしら(真木柱)」の上代東国方言。
※万葉(8C後)二〇・四三四二「麻気婆之良(マケバシラ)ほめてつくれる殿のごといませ母刀自面(おめ)変りせず」

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