川俣陣屋跡(読み)かわまたじんやあと

日本歴史地名大系 「川俣陣屋跡」の解説

川俣陣屋跡
かわまたじんやあと

[現在地名]川俣町 寺久保

江戸時代の町小綱木まちこつなぎなか町の東裏の高台東円とうえん寺の西隣に位置した幕府陣屋。川俣代官所ともよばれ、史料には川俣役所とみえる。当地を中心とする小手おで郷は寛文四年(一六六四)米沢藩領から幕府領となり、福島陣屋の治下となった。その後延宝七年(一六七九)福島藩領となるが、天和二年(一六八二)再び幕府領となり桑折こおり陣屋(現桑折町)の治下に属していた。元禄一六年(一七〇三)に当陣屋が創設され、初代代官に下島甚右衛門が任命され、小手郷二七ヵ村のうち一九ヵ村、高二万三千一九六石余を管轄し(「川俣御代官記」川俣町史)、これは小手郷全体の七割にあたる。陣屋は東西二〇間・南北三〇間の土地に、陣屋・蔵・長屋・稲荷社を配し、土塀と生垣方形に区画されていた。陣屋全景は元禄頃と推定される町小綱木村絵図(佐藤家蔵)に描かれている。

川俣は相馬二本松・福島の各藩に囲まれ、それぞれに街道が通じる交通の要衝にあたり、相馬藩へ至る街道に飯坂いいざか村の萩平はぎたいら口、二本松藩に対して大綱木おおつなぎ口に口留番所が設けられる政治上重要な位置にあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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