宮之町(読み)みやのちよう

日本歴史地名大系 「宮之町」の解説

宮之町
みやのちよう

[現在地名]平戸市宮の町 宮の町

平戸城の西にあり、平戸浦の南岸に位置する。本町ほんちよう通六ヵ町の一つで、宮之町・本町安富やすとみ町三ヵ町の総称でもあった。町名七郎しちろう宮に由来するという。戦国末期、異国船の入津のために京、泉州さかい(現大阪府堺市)の商人が定住し町屋を広げ、海岸部が埋立てられ、潮打際の権現の前に広小路ができ、町並の前身が形成されたという(壺陽録)。寛永一八年(一六四一)宮之町から出火木引田きひきだ町・紺屋こうや町や普門ふもん寺、侍屋敷が類焼した(松浦家世伝草稿)。正保二年(一六四五)の平戸城下図では本町通を挟んで両側に町屋が形成される。明暦―寛文年間(一六五五―七三)に盛期を迎えた平戸の捕鯨で、当町の吉村庄左衛門も三期にわたって鯨組をつくり、承応三年(一六五四)には摂津兵庫・紀州熊野で一〇艘の船を造船(四千一九〇匁)、銛は地元の鍛冶屋、油壺は肥前伊万里いまりに発注し、羽指は五島・熊野から雇入れ、壱岐を冬浦、五島・平戸、生月いきつき(現生月町)を春浦として操業した(「鯨船万覚帳」旧沖文庫蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android