町並(読み)マチナミ

デジタル大辞泉 「町並」の意味・読み・例文・類語

まち‐なみ【町並(み)/街並(み)】

町に家々が立ち並んでいるようす。「整然とした―」
軒を並べている家々。町内の家ごと。
「―に出る葬礼には是非なく鳥辺山におくりて」〈浮・永代蔵・二〉
町筋と並行していること。
「表口五間半、裏行き―二十間」〈浄・卯月の紅葉

ちょう‐なみ〔チヤウ‐〕【町並(み)】

町ごと。それぞれの町。
町家の並びぐあい。まちなみ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「町並」の意味・読み・例文・類語

まち‐なみ【町並】

〘名〙
① 町家の並んでいる様子。並び立った町の家々。また、町内。
仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上「かの姫を、我ら夫婦の物どもが彼方此方と隠し置き、このまちなみに忍びつつ」
② 町筋と並行していること。
浮世草子・本朝桜陰比事(1689)二「自由御普請付届(をどろ)き、町並(まちナミ)と見合ば三尺ばかりたて出すにまきれなし」

ちょう‐なみ チャウ‥【町並】

〘名〙
① 町のならび具合。町家のならびよう。まちなみ。
② 町内のつきあい。町儀。
※仮名草子・為愚痴物語(1662)三「家をもたねば借屋の苦、又家もてば、公儀の軍役・町なみの礼儀火事・しゅりの苦有」
③ 江戸吉原遊郭の大町(江戸一・二丁目、京町一丁目、角町の四町)に構えた妓楼同格程度の遊女屋。ただし大店(おおみせ)ではなく、大町小店と呼ばれるものと同格の意という。
※歌舞伎・日月星享和政談(延命院)(1878)六幕「内の沽券が町並(チョウナミ)だから、よもや乞食は客にしめえと」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android